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Music

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NONA REEVES
『"ChoiceⅡ" by NONA REEVES』

品番 HBRJ-1003
税込価格 2,036円
発売元 Billboard Records
発売日 2012年6月6日

1 YOU GET WHAT YOU GIVE
(NEW RADICALS)
2 STEP BY STEP
(NEW KIDS ON THE BLOCK)
3 HUMAN NATURE
(MICHAEL JACKSON)
4 THE POWER OF LOVE
(HUEY LEWIS & THE NEWS)
5 WHAT HAVE I DONE TO DESERVE THIS?(PET SHOP BOYS)
6 THAT'S THE WAY OF THE WORLD
(EARTH, WIND & FIRE)
7 DON'T BE CRUEL
(ELVIS PRESLEY)
8 TENDER(BLUR)
9 CRAZY FOR YOU(MADONNA)


“ChoiceⅡ” by NONA REEVES

ノーナ・リーヴスによる愛と情熱のビルボード・ヒッツ・カヴァー・アルバム第2 弾!
今回は、NEW KIDS ON THE BLOCK やHUEY LEWIS(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のあの曲!)、PET SHOP BOYS にMADONNA と、80's ~ 90's 感満載の最高に突き抜けたパーティー・アルバム!もちろんマイケルの名カヴァーも再び!

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西寺郷太「ChoiceⅡ」FLOOR netインタビュー完全版はこちら!

ビルボードによる洋楽カヴァー・シリーズ「Choice」に、去年に引き続き、日本のポップ・ミュージックの良心、ノーナ・リーヴスが登場。「マイケル・ ジャクソンの伝道師」としてテレビ、ラジオ、執筆と大活躍、楽曲提供やプロデュースでも様々なアーティストとコラボレーションを続けるヴォーカル西寺郷太 (彼はこの『Choice』シリーズの命名者でもある)をはじめ、ギター奥田健介、ドラム小松シゲルのふたりもプロデューサー、アレンジャー、セッショ ン・ミュージシャンとして八面六臂の活躍。日本の音楽シーンになくてはならない存在となっているノーナ・リーヴス。前作『Choice by NONAREEVES』では、彼らが影響を受けたプリンス、マイケル・ジャクソン、ビーチ・ボーイズ、ビリー・ジョエルといった主に70年代から80年代 にかけてのヒット曲をカヴァーし大好評を博した。そして今作では、彼ら自身が青春時代、リアルタイムに夢中になった80年代~90年代の楽曲を中心に 「チョイス」されている。スーパー・アイドル・グループ、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの大ヒット曲「STEP BY STEP」や、ヒューイ・ルイスによるあの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の超有名曲、そしてペット・ショップ・ボーイズにマドンナ、ブラーと、 80's~90's感満載の最高に突き抜けたパーティー・アルバムに仕上がっている。そして、もちろんマイケル・ジャクソンのカヴァーも再び。西寺郷太自 身が「前作が100点だとすると、今作は50000点」と語る、大好評の前作をもしのぐ、音楽への愛と情熱に溢れた素晴らしい1枚だ。

西寺郷太(NONA REEVES)、2作連続の書き下ろしライナーノーツ(愛と情熱の1万2千字!)より一部抜粋

2. STEP BY STEP / ステップ・バイ・ステップ
88 年にリリースしたセカンド・アルバム《ハンギン・タフ》で大ブレイク。90 年代初頭にかけて、世界中の十代の女の子達を中心に絶大な人気を獲得したスーパー・アイドル・グループが「ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック」。その成 功の最大のポイントは、彼らがものごころつく以前からヒップ・ホップに慣れ親しんで育った、「ラップやダンスの上手い、新世代の白人少年達(まさに" ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック")」だったことです。メンバーは、主にリード・ヴォーカルを務めた瑞々しい発声が魅力のジョーダン・ナイト、ジョー ダンの兄ジョン・ナイト、やんちゃな暴れん坊ドニー・ワールバーグ、ユーモラスな低音ヴォイスのダニー・ウッド、そしてグループ最年少で、声変わり前には 透き通るボーイ・ソプラノを聴かせたジョー・マッキンタイアの5人。当時の日本のメディアでは同時期に活躍したアイドル・グループにちなみ「アメリカの" 光GENJI"」とも紹介されたこともあります。
ちなみに彼らのプロデューサー、作詞作曲家であるモーリス・スターは、ニュー・キッズでの成功を手にする以前の80 年代初頭に、黒人ボーイズ・バンド、ニュー・エディション(デビュー時のメンバーは、ラルフ・トレスヴァント、ボビー・ブラウン、後に3人組ラップ・チー ムとなるベル・ビヴ・デヴォーの5人)を見いだし、全米でブレイクさせた経験を持っていました。
しかし、しばらくしてモーリスとメンバー達との契約がこじれ、彼は手塩にかけて育てたニュー・エディションをメジャー・レーベルMCA に奪われることに・・・。失意のモーリスが、地元マサチューセッツ州ボストンにおい
て改めてオーディションを行い、起死回生の一打として集めたのが後のニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックです。当初のセールスは低空飛行を続けた彼らでしたが、次第に人気に火が着き、89 年6 月17 日、モーリスがスモーキー・ロビンソンに捧げるつもりで書き上げたという名バラード〈アイル・ビー・ラヴィング・ユー(フォーエヴァー)〉、三ヶ月後の9 月9 日にダンサブルな〈ハンギン・タフ〉で、悲願の「Billboard Hot 100」連続首位を獲得します。
短いスパンで二度もビッグ・アイドルを育て上げたその手腕から、プランナー、ディレクター的な観点で語られることも多いモーリス・スター。しかし、僕はそ のすべての源は、なんといっても彼の書くキャッチーでクオリティの高い「楽曲の素晴らしさ」にあると思います。
90 年5 月10 日にリリースされ、ニュー・キッズにとってキャリア最大のヒット・シングルとなった〈ステップ・バイ・ステップ〉について、モーリス・スター自身はこう回 想しています。「この曲はね、元々俺が86 年に同郷のボストン出身のザ・スペリアーズのシングルとして書いたものなんだ。モータウン・レコードからリリースされたんだけど、残念ながらチャート・イ ンしなくてね。当時、レコード会社やラジオ曲には『こんな曲、ヒットするわけない』と酷評されたよ」
そもそもこの曲、ニュー・キッズ版自体がカヴァーだったことは意外と知られていません。一度「駄作」の烙印を押された〈ステップ・バイ・ステップ〉が4年の歳月を経て「Billboard Hot 100」において3週連続第一位を獲得、現在までの累計で全世界650 万枚以上のセールスを記録する「90年代を象徴するヒット曲」となるのがポップ・ミュージックの不思議さですね。
さて、ニュー・キッズ版〈ステップ・バイ・ステップ〉の最大の見せ場が、「STEP 1」ダニー、「STEP 2」ドニー、「STEP 3」ジョーダン、「STEP 4」ジョー、「STEP 5」ジョンと展開する中間部のソロ・パート。僕はこの曲があまりにも好き過ぎて、十代の頃からそれぞれのメンバーの発声をいつも真似しながら5万回以上鼻 歌を歌っていたんですが、その成果が20年の日々を経て遂に発揮されました(笑)。

3. HUMAN NATURE / ヒューマン・ネイチャー
亡きマイケル・ジャクソンが遺した膨大な名作群の中で、世界中で最も「カヴァー、サンプリングされている楽曲」はこの〈ヒューマン・ネイ
チャー〉ではないでしょうか。 今年はアルバム《スリラー》がリリースされてから、30周年・・・。
振り返ってみると、82 年11 月初頭、アルバム《スリラー》のレコーディングが「佳境」を迎えたその時、プロデューサー、クインシー・ジョーンズが下した奇跡的な決断に僕も含むマイケ ル・ファンは心から感謝しなければなりません。クインシーは《スリラー》への収録予定だったマイケル・センベロ作の〈カルーセル(メリー・ゴーラウン ド)〉を土壇場で捨て、TOTO のキーボーディスト、スティーヴ・ポーカロが彼に届けたラフな鼻歌のデモテープから得た「直感」で、この曲〈ヒューマン・ネイチャー〉を最終選考に滑り込 ませたのです。
アルバム制作終盤での急な依頼を受けたカーペンターズ〈トップ・オブ・ワールド〉の作者として知られるジョン・ベティスが「二日間」という猶予期間の中、 猛スピードで書き上げた歌詞は、「遊園地の大好きな少年のイメージ」漂う〈カルーセル〉と正反対の「都市に住む、女癖の悪い駄目男の言い訳」でした。「人 間なんだから、しょうがないじゃないか・・・」。
今にして思えば、マイケルの実像にマッチしすぎている〈カルーセル〉を没にしたことは大英断でした(ちなみに、アルバム《スリラー》の制作のため、クイン シーは世界中の作詞作曲家から600以上の楽曲を集めていたといいます)。敬虔な「エホバの証人」の信者であるマイケルの清廉な実像を、プレイボーイに振 りきったある種「サディスティック」なまでのイメージの転換。美しいメロディと、身も蓋もない主人公の告白によって神秘性は極限まで増幅してゆく・・・。 その絶妙な差配にこそ、クインシーのプロデューサーとしての「手腕」を僕は見るのです。
さて、〈ヒューマン・ネイチャー〉は、83 年7 月3 日に《スリラー》からの第5弾シングルとしてシングル・カットされ、「Billboard Hot 100」で最高
位7 位を記録しました。前述のように、老若男女、人種国籍問わずカヴァー曲、サンプリング曲は数限りないのですが、特に《ユア・アンダー・アレスト》(85 年)でのマイルス・デイヴィスのカヴァー、93 年に大ヒットしたSWV による斬新なマッシュ・アップ〈ライト・ヒア〉は印象的です。09 年10月に公開された映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』でのアカペラからのマイケルの歌唱を鮮明に記憶している人も多いでしょう。
僕はまさに《スリラー》直撃世代で、その後ずっと(自分で言うのもなんですが)筋金入りのマイケル・ファンとして生きてきました。骨身にしみて忘れられな いのが、90年代以降には、「マイケルを嘲笑し、軽んじる」空気感が主流だったこと。しかしそんな時代にも、DJからも、シンガーやミュージシャンから変 わらず熱狂的に愛され続けてきた曲がありました。その代表格がこの〈ヒューマン・ネイチャー〉だったんです(その真逆で敬遠されたのが、僕らが前作 《Choice》でカヴァーした〈スムーズ・クリミナル〉のような《BAD》時代の「マイケル純度100%」の楽曲です)。
ある意味〈ヒューマン・ネイチャー〉は、ビートルズにおけるジョージ・ハリスン作〈サムシング〉の位置づけに似ているのかもしれません。圧倒的な「ジョ ン・レノン/ポール・マッカートニー感」とは一定の距離を置いた「純粋に美しい楽曲」としての凛とした佇まい。「ビートルズ」「マイケル・ジャクソン」と いうある意味濃厚過ぎる看板のど真ん中から少し外れたところに存在している繊細なメロディ。だからこそ、自分の色に染めやすくカヴァー、サンプリングしや すいんですよね。しかしそういう曲こそ、「差」が出ると僕は信じているんです。
というわけで、プロデューサーの冨田謙さんを中心に、アルバム《スリラー》でのオリジナル・ヴァージョンだけでなく、「ヴィクトリー・ツアー」
「BAD・ワールド・ツアー」「DANGEROUS・ワールド・ツアー」、そして映画『THIS IS IT』でのライヴ、リハーサル・シーン、ヴォーカル・アレンジを徹底的に研究し、喧嘩腰の狂気を持って、あくまでも自分達らしく再構築してみたのが、ノー ナ・リーヴス版の〈ヒューマン・ネイチャー〉です。ここ数年「日本のTOTO」と言いたいほど、様々な現場でセッション・ミュージシャンとして八面六臂の 活躍を見せる演奏陣が、わずか3人で作り上げた音像の凄さ・・・。小松のダイナミックなドラム、奥田のディレイで飛ばした絶妙なギター、冨田さんのきらめ くシンセサイザーと研ぎすまされたプログラミング。そして僕の「歌」は、キーもマイケルと同じに設定。ポップ・ミュージック馬鹿の「生き様」を聴いて下さ い。

4. THE POWER OF LOVE / パワー・オブ・ラヴ
サンフランシスコ出身のアメリカン・ロック・バンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースが、ロバート・ゼメキス監督の映画『バック・トゥ・ザ・
フューチャー』に主題歌として提供した〈パワー・オブ・ラヴ〉。85 年8 月24 日付「Billboard Hot 100」において、彼らのキャリア初の首位獲得曲になりました。
映画では、主演のマイケル・J・フォックス演じるマーティ・マクフライがスケートボードで軽快に通学する印象的なシーンで鳴り響いただけでなく、ヒュー イ・ルイス自身もロック・バンドを審査する教師役で画面に登場。他方、バンドがライヴを行う設定で収録されたプロモーション・ビデオには、クリスト ファー・ロイド演じるドク(エメット・ブラウン博士)が参加しています。これらの相互の密接な関係性によって、〈パワー・オブ・ラヴ〉は単なるヒット・シ ングルの領域を超えた「80 年代アメリカン・ポップ・カルチャーの代名詞」と呼べる存在となり、今も世界中で愛され続けているのです。
西海岸特有の「野太い明るさ」を含有する男臭い声で、パワフルにシャウトしまくるヒューイのヴォーカル・スタイルは、大好きですが自分とは正反対。そして 「ヒューイ・ルイス的なるもの」とも定義したいほどの、あの唯一無二の「マッチョな匂い」がメロディ・ラインや歌詞の隅々にまでこびりついたようなこの 〈パワー・オブ・ラヴ〉は、今回の収録曲の中で「歌手」として、最も歌いこなすのが難しかった曲のひとつでした。もちろん名曲のカヴァーと言うのはオリジ ナルを歌うシンガーに「強敵」が多いのが当たり前なんですが、とはいえ・・・。ヒューイ・ルイス個性強過ぎ(笑)。Aメロからいきなり「ヒューイ臭」半端 ないです(笑)。
さて、この〈パワー・オブ・ラヴ〉。彼らの「陽気で、エネルギッシュで、自由なキャラクター」によって少し伝わりづらくなってはいるものの、そもそも楽曲 としての完成度は驚くほど緻密。間奏部に突入する前の、ビーチ・ボーイズを彷彿とさせるブリッジ部のめくるめく展開など、オリジナルの「多幸感」を残しつ つ、より2010年代のソリッドでシャープな音像でまとめようとコンセプトを決めました。なにより、そもそもこんなに楽しくて、盛り上がって、皆が知って いる曲はそうありません。DJや、パーティの席で「徹底的に使える」ダンサブルな楽曲へ・・・。結果的に、冨田さんを中心とした、メンバー3人、エンジニ アの兼重哲哉君との密接なディスカッションとコラボレーションの後に、ノーナにとっても新機軸のサウンドとして再構築出来ました。前作のようにアナログ発 売出来るといいなぁ。

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